あの時のリス族の村へ! / by Tetsuo Kurita

12年前、他に交通手段がなくヒッチハイクと徒歩で中国雲南省のある地域を移動をしました。食べるものも飲むものもなくふらふらになって歩いている時、ふと上を向くと、丘の上に集落が見えました。必死に駆け上がってゆくと、木板と丸太材だけでできた非常に簡素な家が何軒かあり、その内の一軒に入りました。外から見る以上に何もない小屋のような家でした。中には男性と女性がいたのですが、困ったことに中国語(漢語)は全く通じません。
暫くすると、失礼ながらどう見てもなけなしであろう卵を持って来てくれて、卵チャーハンを作ってくれました。どうやら事情を察してくれたようです。ご飯と卵と塩と油だけで作った卵チャーハン。ご飯はパサパサなのにあまりに美味しく、涙が出そうでした。ふと現れたどこの誰かも分からぬ者に対する温かい心遣い。彼らはリス族でした。ずっと忘れることのなかった旅の思い出です。
先日、その村を12年ぶりに訪れました。そして、なんとあの時の男性に再会することができました。具体的な場所がわからず12年前に訪れた場所と少し違った場所に自分は行ってしまったのですが、たまたま男性が引越しをして、自分が訪れた場所に家を構えていました。この辺りにも縁を感じます。
あの時出会った男性と女性はてっきり夫婦だと思っていたのですが、実は兄と妹という関係でした。妹さんは別の村に嫁いで行ったとのことで、残念ながら彼女には会えずでしたが、お兄さんとそのご家族に会うことができたのです。
お兄さんは66歳になっており、年齢以上に老いた感じでした。それでも元気な様子で良かったです。
今回、あの時のお礼を伝えたくて訪れたのですが、またしても逆にあれこれ気遣いしていただいたのでした。
なお、この村も含めて今回撮影した写真は、近いうちに何かの形で発表したいと考えています。